2026年10月17日
痒みを止めさせる?それとも痒みの原因を考える?
しんちゃお!
天気が良い朝
病院の6Fでこの良い景色を見ながら深呼吸をしてから一日が始まります。
〜ベトナム介護現場、痒み議論〜
陰部のただれが続き、痛みや痒みが治まらない利用者さん。
日中はトイレに行き、洗浄・軟膏塗布。前は直ぐに治りましたが、最近はどうにも軽減せず
ただれは広がり、皮膚科の先生に診察してもらい、軟膏も処方されましたが、なかなか改善しません。
「何が原因なんだろう?」
「どうしたら少しでも楽になるんだろう?」
(介護の力だけでは軽減できない・・・医療の助けが必要です)
そんな話し合いをしていた時のことです。
夜勤スタッフから一言。
「夜はオムツに手を入れて掻くんだよ。だから傷もあって出血もある」
すると看護師長が、
「では、夜は手袋をはかせてください」
へ!は?????
はい!!!
ここから白熱した議論の始まりです(笑)
日本スタッフ
「え?手袋?抑制する、ということですか?」
看護師長
「手袋は抑制じゃないよ!問題ない」
日本スタッフ
「抑制ではなく、痒みの原因と緩和を考えましょう」
「例えば、夜間のオムツ交換の回数を増やして、洗浄してみてはどうですか?」
看護師長
「寝ている人を起こして、洗浄やオムツ交換をするのは反対です」
日本スタッフ
「ず〜っと寝ている訳ではないですよね。本人は排尿がある時には目覚めていますよ」
看護師長
「無意識に掻くのだから、それを止めてあげればいいんです」
日本スタッフ
「止めさせるって・・・痒いんですよ。ただれているんですよ。まず、それを治してあげないと」
看護師長
「掻くから悪くなるんです!私たちは痒みを我慢できるけど、本人は我慢できないからダメなんです!」
日本スタッフ
「いやいや、痒みってつらいですよ〜。手袋をすれば、痒みやただれは治るんですか?」
日本スタッフが経験した「やけど虫」の皮膚炎の話をしました。
「うちのスタッフも、どんな薬を塗っても治らなかった湿疹が、やけど虫が原因だと分かり、それに合った薬を使ったらすぐに改善したでしょう?」
看護師長
「違う!FUTABAは掻いたから悪くなったんだ!掻くのをやめたから治ったんだ!」
......そんなバナナ(笑)
そうなの?FUTABA・・・(いやいや薬が変わってから良くなったんですけど〜)
議論は続く続く・・・
正直、疲れました(笑)
「夜、オムツに手を入れて掻くんだよ」
その言葉の中に、まるで利用者さんを「汚い」と言っているかのような言い方を感じました。
でも、ちょっと待って!
好きでオムツに手を入れているわけじゃない。
痒いんですよ!
痛いんですよ!
気持ち悪いんですよ!
そうさせているのは誰?
私たちじゃないの?
その不快感に気づき、取り除くことができていないのは、私たちケアする側。
「オムツに手を入れるからダメ」
「掻くから悪くなる」
「だから手袋をする」
それでいいの?
もちろん、掻くことで皮膚が傷つき、悪化することもあります。
でも、痒みには原因があります。
蒸れなのか、排泄物による刺激なのか、皮膚の病気なのか。
そこを考えたいのですが、議論は平行線。
そして、驚いたことが!
この議論の間、ベトナム人看護師たちは誰も何も発言していませんでした。
ところが、一人の看護師が突然、
「師長、私の意見を聞いてください」
と話し始めたのです。
「痒いのは、私は我慢できません。手袋をして我慢させるのは可哀想です。つらいと思います」
なんと!!!!
心の中で「よ!」と拍手!!!
師長に対しての発言は、勇気のいる事です。
ですが、自分の感じる痒みと、利用者さんの苦痛を重ねて考え、自分の言葉で意見を伝えていた
本当に嬉しい出来事でした。
結果は......
その場では、
「夜間のオムツ交換時に、しっかり洗浄し、処方された薬を塗る」
という対応になりました。
これからも皮膚の状態を観察し、原因を考え、必要に応じて医師と相談していく必要があります。
同じ利用者さんを見ていても、考える方向が違うと、ケアの方法も変わります。
意見は平行線だったかもしれません。
意見が違うからこそ、話し合う意味がある。
今日、答えや結果が出なくても
黙って聞いていた他の看護師たちも、何かを感じたり、考えたりしたのかな、と思います。
利用者さんのために、それぞれの考えを出し合えること。
それが大切ですね。
ちゃお
