2026年06月20日
「褥瘡がひどいから受け入れられない」
しんちゃお
心地よい暖かさのフエです。
(と言っても気温は35度以上〜)
先日、新規利用者の入居の連絡がありました。
ですが、その数分後
「褥瘡がひどいから入居は中止」と連絡が入りました。
私は思わず、
「え?どうしてダメなの?」
と思いました。
まずは会ってみたい。
そう師長に連絡して、すぐに病棟へ向かいました。
ICUの医師や担当看護師長から話を聞くと、
「今は褥瘡の処置もガーゼ交換しかしていない」
「このままICUにいるより、介護科で生活ケアを受けた方が良いのではないか」
「家に帰っても介護する人がいない」
「褥瘡完治は長くかかる、すぐに治そうと思うな」
とのことでした。
家族からも、利用をお願いされました。
本人に声をかけると、しっかり反応があります。
鼻腔チューブは入っていますが、口も開く。
よだれも飲み込めている。
「少しずつなら口から食べられるかもしれない」
そんな可能性も感じました。
私は介護科の師長へ聞きました。
「なぜ利用できないのですか?」
「処置ができないからですか?」
そして師長は、少し考えて
「利用しましょう」
と決断しました。
利用者は、
・褥瘡ステージ4
・パーキンソン病
という状態でした。
すると今度は看護師たちから声が上がりました。
「私たちは外科の看護師じゃない」
「処置が難しい」
「なぜ受け入れたんだ」
実際に見た褥瘡は、教科書に出てくるような重度の褥瘡でした。
私も、久しぶりに見ました。
吐き気を催したスタッフもいました。
ですが師長はこう話しました。
「ICUの看護師もICU担当であって、外科担当ではないでしょう?」
「目の前の人を一生懸命ケアするのが私たちの仕事ではないですか?」
外科医からも、
「ガーゼ交換で良い」
という指示が出ています。
それでも受け入れられないのか?
受け入れるまでは、スタッフ全員が不安にあふれた表情をしていました。
いざ受け入れてみると、
「難しい」
「できない」
と言っていた看護師も介護士も、いつの間にか夢中になっていました。
看護師は褥瘡の処置に向き合います。
「もっと良い方法があるかもしれない」
「この処置で本当に良いのかな」
利用者のために考え始めました。
介護スタッフが
「シャワーしようよ」
と声をかけます。
すると看護師から、
「分かった。助けが欲しい時は呼べよ」
という言葉が返ってきました。
私は、こんな言葉を聞いたのは初めてでした。
職種の壁はなく、
「一緒にやろう」
という言葉に聞こえました。
離床も始めました。
ベッドから起きてみる。
座ってみる。
そして、
「口から食べてみようよ」
と挑戦しました。
「そうだな、やってみよう」
とみんなが動き始めました。
そして一口。
もう一口。
確実に飲み込めた。
その瞬間、
「うわ!すごい!」
「飲み込めた!」
と自然に声が上がり、
スタッフ同士でハイタッチしていました。
介護科に来る前、
みんなが見ていたのは褥瘡でした。
でも今、
みんなが見ているのは利用者本人です。
褥瘡の大きさではなく、
食べられたこと。
起きられたこと。
表情が変わったこと。
「できない理由」を探していましたが
いつの間にか
「どうしたらできるだろう」
を考えている。
いや〜いいですね!
ちゃお
