2026年05月31日
食べたいけど、食べられない・・・でも
しんちゃお
先日、1階でエレベーターを待ち6階まで行くため乗り込みました。
上から乗ってきて、1階についても降りない男性。
どこに行きたいのか・・・6階まで一緒に乗ってきました。
6階でも降りない・・・どこに行きたかったんだろう・・・無事着いたのか気になっています。
利用者さんの様子です。

1か月以上、点滴で過ごしていた94歳の男性。
入居後、鼻腔チューブで栄養を入れる生活になりました。
「何か食べてみますか?」
そう声をかけると、毎回のように食べたそうな表情を見せます。
でも実際には、
何を口に入れても数回かんで吐き出す。
バナナも、ミルクも、水も、ジュースも
唾液さえ吐き出してしまいます。
ある日、聞いてみました。
「何が食べたいですか?」
「ごはん!」
「おかずは何が良いですか?」
「魚!」
「マグロですか?」
「違う!」
「白身!」
そのやり取りが何だか嬉しくて、
私は慌てて売店へ走りました。
いつもの私の注文より少しおかずを増やしてもらい、
白身魚は見つからなかったけれど、
「きっとこれなら食べてくれるかもしれない」
そんな期待を持って戻りました。
「買ってきましたよ。食べますか?」
「食べる!」
一口。
もぐもぐ、もぐもぐ。
(おっ、飲み込むかな...)
そう思った瞬間、
ペッ。
吐き出しました。
もう一口。
もぐもぐ...。
ペッ。
「美味しくないですか?」
そう聞くと、
「美味しい!」
と、はっきり答えます。
でも、
その後はかむこともなく、
口に入れてすぐ吐き出してしまいます。
食事の前に話をしていた時、
こんな言葉が返ってきました。
「鼻のチューブのごはんは、お腹が気持ち悪いんだ」
胃の不快感があるのかもしれません。
食べたい気持ちはある。
味も分かる。
美味しいとも感じている。
でも、
身体がついていかない。
飲み込みたいのに飲み込めない。
そんな状態なのかもしれません。
食べることはできませんでした。
でも、
「魚が食べたい」
そんな言葉を聞くことができました。
口から食べる量は、1・2口です。
身体の状態も大きくは変わっていません。
それでも、
⭕ 自分の好みを話した
⭕ 「白身魚」と具体的に伝えた
⭕ 「美味しい」と味覚は残っていた
⭕ 胃の不快感を言葉にした
⭕ 職員との会話が増えた
⭕ 抵抗が減った
たくさんの発見がありました。
食べた・食べないだけ見ていると、
何も変わっていないように見えます
でも、
人を見ていると、
実は毎日少しずつ変化している。
食べさせることだけが目的ではありません。
食べたか、食べないか。
それだけでは見えない変化があります。
結果だけを見るのではなく、
その人の気持ちや思いに気づいていく仕事なのだと思いました。
ちゃお
