2026年03月22日
東奥学園高校 海外研修受入レポート パート2
医療・介護の現場で深まる学び
3月9日は、東奥学園高校の皆さまをフエ中央病院へご案内し、
ベトナムにおける医療・介護の現場を見学していただきました。
今回の研修では、海外の医療・介護現場への理解を深めることも大きな目的のひとつとされているそうで、
受入側としても特に丁寧にご案内したい一日でした。

この日は、まるめろ式介護ホームの見学だけでなく、病院内の各施設もあわせてご覧いただきました。
実際の現場を見ることで、日本との共通点や違いを感じながら、
教室では得にくい学びを持ち帰っていただけるのではないかと考えていました。

まず、外来病棟においてレクチャーの時間を設けました。
この外来病棟は日本のODAによって建設されたものであり、日本とベトナムのつながりが、
目に見える形で医療の現場に生かされている場所でもあります。
生徒の皆さまは、その説明に真剣に耳を傾けておられ、日本と海外との関係が、
制度や交流だけでなく、実際の医療基盤の整備にも関わっていることを実感されているようでした。
さらに当日は、予定にはなかったICU病棟の見学も特別に実施することができました。
命を支える最前線の現場に触れたことで、見学中の空気も一段と引き締まったように感じました。
生徒の皆さまも、普段なかなか目にすることのない医療の現場を前に、
非常に集中した表情で説明を聞かれていました。

特に印象的だったのは、東奥学園高校の皆さまが、事前にしっかりと準備した質問を次々と投げかけていたことです。
説明を受けるだけで終わるのではなく、「なぜこのような体制なのか」「日本との違いは何か」
「現場ではどのような工夫がなされているのか」といった点を、自分たちの言葉で積極的に尋ねておられました。
受入側としても、その熱意には感心させられる場面が多く、結果として予定時間を1時間以上超過するほど、
内容の濃い見学となりました。
見学後は、青森社会福祉振興団の事務所に場所を移し、ベトナムにおける医療・介護の状況、
そして当法人が取り組んでいる海外事業についてレクチャーを行いました。
ベトナムでは高齢化の進展とともに、今後ますます介護の必要性が高まっていくことが見込まれています。
一方で、日本のように介護保険制度が整っているわけではなく、家族の支えや医療機関の役割が大きいのが現状です。そうした違いも含めて、海外で介護を考えるとはどういうことかを知っていただく時間になればという思いで
お話ししました。
生徒の皆さまは、ベトナムの医療・介護の現状だけでなく、
当法人が現地でどのような思いを持って事業を進めているのかについても、真剣に聞いてくださいました。
介護という仕事は、人の暮らしや尊厳と深く関わる仕事です。
そして、そのあり方は制度、文化、家族観、地域性によって大きく変わります。
そうした違いを知ることは、福祉を学ぶ生徒の皆さまにとってはもちろん、
調理科やスポーツ科で学ぶ皆さまにとっても、人を支えるという視点を広げるきっかけに
なったのではないかと感じました。
夜には、フエの宮廷料理を体験していただき、その後、フエ市で活躍されている
日本人の方々との交流の場も設けました。
海外で暮らし、働いている日本人の話に触れることで、生徒の皆さまにとっても、
将来の選択肢を考えるうえでの刺激になったようです。
異国の地で専門性を生かして働くこと、文化の違いの中で人と関わることの面白さや難しさを、
より身近に感じていただけたのではないでしょうか。

この日は、単に病院を見学するだけではなく、「医療」や「介護」という仕事を、
社会や文化の違いの中で捉え直す一日になっていたように思います。
そして研修最終日には、同世代の若者との交流や大学訪問を通じて、学びはさらに広がっていきました。
パート3に続きます。
