海外事業部 ベトナム/フエ事業所

2022年01月19日

ベトナムのテト パート2

2月1日に2022年のテト(旧正月)を迎えるベトナム。
今月は、海外事業部ベトナム・フエ事業所で勤務する3人のスタッフから、
それぞれのテトに関するレポートをお送りいたします。

パート2は、フエ事業所で日本語通訳として2014年12月から働くアインさんからのレポートです。

「私のテト」

「自分のテトは?」と質問されたら、どう答えようか?
多くの人にとって思い出を振り返る行為というのは、
イメージや物事を想い出すことと言われています。

でも、私にとって、これは香りです。
テトの匂いと言えば、何の香りか?あ、思い出しました。これはショウガの香りです。
ショウガを切って、吸い込むたびにテトの思い出が蘇ります。

昔のテトは今のテトと大きく違いました。
昔のテトは、何でも手に入れる今のテトと同じではありません。
ですから、昔のテトと、今のテト、テトに対する気持ちも違います。

現在、スーパーや市場に行けば、いつでも色々な値段で色々な品物が売られています。
昔のようにテトのため、慌てて準備する必要がありません。
このことから、テトの雰囲気も変わってきました。

昔、テトの準備のため、祖母はすごく忙しくしていました。
祖母はショウガジャム、ココナツジャムとお菓子を作ってくれました。
それは私たちの大好物でした。

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祖母は遠くの市場での仕事が終わったら、夕方戻ってきて、近くの市場へ行って、
形がきれいで腐ってないショウガをきちんと選んで買ってきました。
祖母が作ってくれたショウガのお菓子なので、市場で売られているものの味や匂いと違って、
とてもおしかったです。

祖母の手伝いをする時は、ショウガの皮をむくことやショウガを瓶に入れることだけでした。
そんな時、いつもこっそり一個つまんで、美味しく食べました。

私の家族にとって、テトに欠かせないものはバインテトです。
バインテトを作っていたのは、いつも祖父でした。
旧暦の29日に祖父はバインテトを作り始めて、30日に仏壇へのお供えします。
祖父は祖母より厳しいです。特に、テトの前の間、祖父はいつも私たちに家事をさせました。
私たちは5時に起きて、葉っぱを洗ったり、バインテトを作ったりしました。
当日、遅く起きてしまった人は、祖父に怒られました。
バインテトを作ってから、茹でます。
茹でる時、火が弱くなったり、水が少なくなったりすることもあるので、見る人が必要です。
茹でる時間は10時間から12時間ぐらいです。

一番楽しい時間はバインテトの鍋を見ることです。
この時、寒いので、鍋の近くにマットを敷いて、トランプをしながらバインテトの鍋を見ました。
祖父にきちんと見るよと約束しましたが、夜中に寝てしまいました。
私たちは目が覚めた時、バインテトが机にきちんと並んでいる状態になっていました。
私たちが寝ている間に、祖父は残りを全部やってくれました。
約束を破ってしまいましたが、祖父に怒られませんでした。

それは私の子ども時代のテトです。笑い声と愛情に満ちた幼年期を過ごしました。

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社会人となった今、テトに対する気持ちも大きく変わってきました。
仕事に疲れたこともあります。
そんな時、ショウガを切ると、昔かいだ香りがして、懐かしい思い出がどんどん戻ってきます。
どんなに苦しいことがあっても、周りにはまだ私を愛してくれる人が多いと分かるようになります。外では、太陽が昇って行って、全てはきっとうまくいくでしょう。

(グエン ティ ゴック アイン)

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